知って得する豆コラム 《あずきの話》
あずきの効能・効果
みなさんはあんこを使った和菓子やお汁粉、お赤飯はお好きですか?これらに共通して使われているものといえば…そう!あずきです。
甘い和菓子に使われるあんこの原料として知られているため、あまり栄養のある食べ物として意識されていないような気もするあずき。ですが、豆腐や納豆などヘルシーで栄養価も高い食べ物の元になる大豆と同じように、あずきにも健康に良い栄養成分がたっぷり含まれています。また、むくみや便秘、貧血、冷え性など、多くの女性が抱える悩みを改善に導く効果も期待できる、優秀な食材なのです。
あずきに含まれる栄養素の役割
あずきの主な成分は糖質とタンパク質です。他にもビタミンB1やB2、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分などのさまざまな成分を含んでいます。
1.ビタミンB群
のうちのビタミンB1は、糖質をエネルギーに変え、脳や神経昨日を正常に保つ役割を持っています。ビタミンB1が不足すると疲れやすくなり、手足の痺れやむくみ、動悸、食欲不振といった脚気の症状を引き起こします。ビタミンB1を効率よく摂取するためには、食材を煮る・蒸す・といった調理法を用いるのがよいでしょう。
ビタミンB2は糖質、脂質の代謝を促進し、健康な皮膚や髪、爪などを作るために必要な栄養素です。不足すると口内炎や口角炎、舌炎を発症しやすくなり、また体の発育にも異常を来たします。成長期にある10代や、運動や労働で身体をよく動かす人には特に必要となる栄養素です。
2.カルシウム
は、リンと並んで健康な骨や歯を作るほか、神経の興奮をしずめて精神を安定させたり、筋肉を収縮させて心臓の正常な鼓動を保つなど、人間の生命活動において重要な役割を担う栄養素です。
成人の体内には1kg以上のカルシウムがあり、ミネラルの中では飛び抜けて多い含有量です。
このカルシウムが不足すると、骨や歯が弱り骨粗しょう症になりやすいほか、イライラなど精神の不安定を招いたり血行に異常を来たしたりします。
3.カリウム
には、細胞内外液の浸透圧を維持し、高血圧の原因となる過剰なナトリウムの排泄を促して血圧を下げる働きがあります。
筋肉に多く含まれいるので、不足すると筋肉の収縮が円滑に行われなくなります。食塩を摂りすぎる傾向がある日本人は、積極的にカリウムを摂取する必要があります。
4.マグネシウム
には、神経の興奮をしずめて精神を安定させる働きがあります。他にもカルシウムによる筋肉収縮の調整、血糖値の正常化、血圧調整などに貢献しています。
マグネシウムが不足すると、筋肉収縮をうまく調整できなくなり、痙攣や震えなどの症状が現れるとともに、神経が興奮しやすくなります。また、狭心症、心筋梗塞などの心疾患を引き起こす原因にもなります。
5.鉄
の主な役割は、血液中の酸素を運搬することです。不足すると体内に酸素が充分に供給されず、めまいや貧血、思考力の低下などいろいろな症状が出てきます。
また、肩こりや冷え性の原因にもなります。鉄は体内での吸収率が極めて低いため、欠乏しやすい栄養素のひとつです。
女性の味方!あずきの美容効果とは?
あずきには体の健康を促してくれる成分だけではなく、美容に良い成分もたくさん含まれています。そのパワーは大豆にも負けず劣らず。栄養のバランスがとても良いあずきは、身体の内側から女性をキレイにしてくれる食べ物なのです。
●食物繊維
人の消化酵素では消化することができない食物中の成分で、腸内の老廃物を体外へ排出する働きを持っています。大きく分けて不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がありますが、豆類は大部分が不溶性に分類されます。
不溶性食物繊維は、体内で水分を含み数をに膨張することによって腸を刺激し、ぜん動運動を促します。この動きが腸内の老廃物をスムーズに体外へ排出させ、便秘の予防・改善に役立ちます。
●サポニン
あずきには、利尿作用を高め便通を良くする成分であるサポニンも豊富に含まれています。サポニンの利尿作用は体内に水分を貯めこみやすい女性のむくみを改善し、また便秘を解消して老廃物による肌荒れを防ぐ効果も期待できます。さらにサポニンの働きで最も注目されているのが、脂質の酸化を防ぐ抗酸化作用です。高脂血症や動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑え、血中の悪玉コレステロール値を低下させる機能があるといわれています。脂肪の蓄積を抑えて肥満を予防したり、老化防止などにも効果的です。
●ポリフェノール
あずきのポリフェノールは同じ量の赤ワインよりも含有量が多く、高い効果が期待できます。ポリフェノールには、強い抗酸化作用を持つカテキンや、血行を促進して冷え性改善や代謝アップにも効果的なアントシアニン、肌のくすみの原因となるメラニン色素の生成を抑制する美白作用など、女性にとってうれしい効果を発揮してくれる成分がたくさん含まれています。また、あずきの持つ強い抗酸化作用には、健康に悪影響を及ぼす活性酸素を除去する働きがあり、動脈硬化や心臓病予防、免疫力の強化、発がん性物質の活動の抑制なども抑制します。
市販のあんこは砂糖を多く使用しているので、カロリーが気になる方は豆から煮て低カロリーのあんこを手作りするのがおすすめです。
美容効果大!あずき茶の作り方
美容にも良い成分がたっぷり含まれているあずき。そんなあずきの栄養成分を効率よく摂取できると話題のあずき茶は、ほんのりとした甘みがあってほっと一息つきたいときにもぴったりです。もちろん美容に良いだけではなく、さまざまな生活習慣病の予防や改善、血圧の上昇抑制などにも効果が期待できます。
材料(5回分)
あずき・・・250g
水 ・・・ 1L
作り方
①あずきを水で洗ってざるに上げ、水分を拭き取る。
②フライパンに洗ったあずきを入れて中火にかける。焦がさないように注意しながら混ぜ、あずきの中身がキツネ色になるまで10分ほど炒る。
③粗熱を取ったあずき50gと水1Lを鍋に入れ、中火にかける。
沸騰したら火を弱め、そのまま15分ほど煮る。
これで800mlのあずき茶が出来上がりますが、火を止めた後のあずきは取り出さずに飲みきるまで入れたままにしておくと、成分が十分に抽出されます。
炒ったあずきは常温で保存し、なるべく1週間以内に使い切るようにしてください。